中国の伝統的な虫かごです。
中国では悠久の昔から虫の声を愛でる文化が人々の暮らしと共にありました。
3000年もの昔に編纂された中国最古の詩集「詩経」。
この中に収められている「草虫」という詩には人々がキリギリスの鳴き声を楽しんでいた様子が記されています。
現代においても、虫達が鳴く季節になると、中国の街のいたる所で小さな虫かごが店頭に大量にぶら下がって売られているのを目にする事ができます。
その虫かごに自分のお気に入りの虫を入れ、公園等に集い、誰の虫の鳴き声が一番美しく、そして美しい籠に入っているかを競い合うのが、中国の人々の楽しみの1つとなっています。
時にはオークションも開催され、姿や声が美しい物には10万円を超える値がつく事もあるといいます。
その為、中国では虫を一匹だけ入れ、持ち運びもできるこの小さな虫かごが民芸品として古来より各地で作られてきました。
中でもとりわけ、河北省産の虫かごが有名で、その精緻な細工とデザインは美術工芸品の域に達しています。
こちらの虫かごはその河北省産の物で、ご覧のように大変美しい外観となっております。
上部および引き上げ式の扉部分には螺鈿細工による装飾が施されております。
螺鈿(らでん)とは、アコヤ貝や夜光貝等の貝殻の内側の真珠層を薄く削り出し、漆器や木器の表面にはめ込んで装飾する、中国古来より伝わる伝統工芸技法です。
小さな陶器製の餌入れと敷物がセットになっています。
吊り下げられるように上部には鉤(フック)が付いています。
キリギリスやマツムシ等の単体飼育に適していますが、目が細かいのでコオロギや鈴虫等のより小さな虫を飼う事も可能です。
ミニチュアの鳥かごのような可愛らしいその外観は、インテリア小物としてもお薦めです。
楽天で購入8,505円(税込み)